耐震性を上げる!許容応力度構造計算のハウス企画

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現地被害調査からの考察 ~ 千葉県旭市

   現地被害調査からの考察 ~ 千葉県旭市

巨大津波のニュースでは、全く跡形の無い地域、土台か一階床だけ
残った地域、瓦礫の山の地域に3分類され、痛ましい光景ばかりでした。

仕事がら津波に耐える家を造りたいと思い、テレビニュースの画面に映る
木造住宅の残骸に、津波に耐えるヒントが無いかどうかを目をこらして
探していました。

ケンプラッツ建築・住宅 日経」のHPに [津波に耐えた木造]の記事を
見つけ、津波に関して無知だった私は、被災地千葉県旭市に行きました。
被災地が一望でき、且つ被災状況の情報入手を期待して、高台の宿
カントリーハウス海辺里 info@tuberi.jp)に泊まりました。

現地調査から幾つかの「なぜ?」という疑問がわきました。

1.長い九十九里浜の一部分だけに「なぜ?」津波が押し寄せたのか?
  (当初、被災場所に部分的海嶺があるのではないかと疑いました。)

2.幾つかの木造住宅が、「なぜ?」津波で残った?

3.多く点在する液状化は「なぜ?」生じたか?

液状化で地盤に埋まった家

「なぜ?」という疑問は、宿泊先の海辺里社長さんが撮った多くの写真と
説明から判明しました。

原因は返し波と寄せ波がぶつかって出来た津波によるものでした。

当時津波の高さは10m以下、堤防が3.5m~4.0mあったので、
宅地に押し寄せた高さは4m以下でした。
基礎の状況から見て、古い建物が流されていました。

津波で流された古い家
千葉県旭市津波イラスト

今回被災した中で、過去の津波で被災経験があると思われる一画で
津波に耐えた家々がありましたので紹介します。

海側に高さ約2mのコンクリートブロック塀、その後ろに頑丈な控え壁を造り、
塀を押さえる土盛で庭を造った住宅は無事でした。
(C.B.=コンクリートブロック塀 )
津波に助かった家1

高さ1.8mのコンクリートブロックの上に土台を置き、高窓付きの一階は
玄関兼車庫物置とし、二階に居住している家も無事でした。
その後方には浸水以外の被害はなく、この家がガードしたようです。

1.8mのブロックの上に土台
津波に助かった家2
(C.B.=コンクリートブロック塀 )


厚さ10cmのコンクリートブロック塀は壊れ、厚さ15cmのコンクリート
ブロック塀はほぼ無傷で、津波と漂流物から家を守っていました。
無傷のブロック塀と塀に守られた家
津波に助かった家3
(C.B.=コンクリートブロック塀 )

ケンプラッツ建築・住宅 日経」 のHPに掲載された[津波に耐えた木造]の
竹屋魚店ご主人に、建物の構造と、「なぜ?」津波に耐えられたかを
お聞きすることができました。

基礎は現在地盤より-1m以下に布基礎を造り、その上に堤防高さに盛り土
を行ってから、車庫兼いけす置場を建てたそうです。
基礎合計高さ1.6m程度あると思います。
建築した大工さんは頑丈に造ってくれて、小屋組も立派なものでした。
車庫のオーバースライディングドアは、今まで強い台風にも耐えたのに、
今回の津波の引き波で流された、と悔やんでいました。
津波に助かった家4

後ろの店舗は地盤面より1.6mの高基礎の上に鉄骨2階建てを建てて
いましたたが、浸水被害だけですみ、震災後まもなくして開店できたそうです。
基礎を高くした理由は、(魚店なので)建物の腐食を防ぐためでであり、
津波対策を考えたわけではありませんでしたが、結果的に津波被害を
最小限に抑えることができました。

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